伝説のピアノ復活計画

平成24年にシンポジウム「ここから始まるストーリー」を行いました。

第二次世界大戦末期の宇部大空襲(昭和 20 年 7 月 2 日)下で奇跡的に焼失を免れ、戦後も使用され、子どもたちの成長とともに、街の音楽文化が育ちました。焼け野原になった宇部の街に一流のピアニストが訪れると、このピアノが渡辺翁記念会館へ運ばれて演奏されました。宇部市が音楽都市として全国的に知られるまでになった原点にあった貴重な楽器です。

約98年前の大正12(1923)年、渡邊祐策翁をはじめ20名の寄贈者によって、宇部市公会堂の役割を兼ね備えた新川小学校の講堂に寄贈されたもので、世界最高峰のメーカー「スタインウェイ&サンズ」社が1922年にドイツのハンブルグ工場で製造した「Steinway & Sons O-180」です。

壊れたピアノを演奏する碓井俊樹さん

このピアノは現在、渡辺翁記念会館の2階ロビーに展示されていますが、楽器としても歴史資料としても非常に価値のあるものです。少子高齢化、地方創生が叫ばれる中、地域の誇りと音楽文化の振興につなげるため、私たちは歴史や文化、人の交流を大切にし、これらの活動の輪を広げ、 次世代の子どもたちに “良いもの” を残していきたいと考えております。